Contents
初心者がLive2Dで動かす獣人を描く為に考えておきたい事
Live2Dで獣人動かそうとすると、いざ動かそうとした時に自分のスキルの低さもあって、想定した動きが出来なくてパーツの描き直しや差替えが多かったんだ…。
イラストもLive2Dも手慣れた人なら問題じゃないのかもしれないけれど、差替えで失敗してアートメッシュからやり直すのは地味に大変だし、スタートのキャラづくりから考えておくと後々にやり直しを防げると思った。
今回の記事は『初めの一歩』となる経験を記事にしてシェアするよ。
バルトフはピューマをモチーフにした猫科の獣人キャラクターなんだけど、このバルトフを作ろうと思った時には既にLive2Dで動かすことを想定して考えながらデザインしたモデルなんだ。顔のデザインはもちろんの事、体型についてネコ系キャラクターをどこまでデフォルメをするのか?どこまで構造を猫科モチーフとするのか?ってすごく悩んだんだよ。今回はその話をするので、これから自分のLive2Dで動かす為のオリキャラ獣人イラストを描く予定の(主には、まだ自分の獣人キャラの描き方が定着していない諸々の初心者さんたち)にとって、バルトフの失敗や考えてきた事が何か創作へのヒントになったら嬉しいなと思うよ。
完成時の印象を考える
完成時の印象を予め想定しておく事は、創作中に迷わない為にもとても大切な事だ。自分にはまだまだこの辺りの『想像するスキルが足りていないな』と感じる事が多く、無鉄砲にスタートしたり、行き当たりばったりにイメージを作って進めたりする事がよくある。
けれど、往々にして完成という目標設定が細かく想定されている時の方が仕上がりは格段に良いと感じる事があるし、先々のことを考えずに作り始めてしまったLive2Dのアバターは大抵大元のパーツを差し替えるなどして、大がかりな作り直しになってしまうことが多い。Live2Dでの新たなパーツを差替える作業は、アートメッシュという点と線をイラストパーツに打って網掛けをしていく地味で時間のかかる大変な作業なんだ。それがやり直しとなるので、差替えるパーツが多いほど作業コストが高くなって大変になってしまう。人型の場合、ベースの顔や体型が同じキャラクターはアートメッシュを流用したり、オートのメッシュ機能を活用するなど作業コストを幾らか下げる手立てがあるんだけど、獣人の場合は人型の形状からかけ離れた口周りや輪郭、手や関節、毛並みなど、良く動かしたいパーツの形状が人とは違いすぎて、綺麗に動かそうとすると手動でアートメッシュを打つ必要が多く出てくる。人の場合も丁寧な作業には手動が欠かせないと思うけれど、獣人の場合はネット上に情報が少なくて試行錯誤も多いと思うので、人型キャラクターとは違った悩みを抱えながら作業をすることになってくる。なので、イラストを描く段階でLive2Dでの作業もどのように動かすパーツなのかを頭の片隅に入れておくことが、自分の中で大変重要なポイントだったりする。
よくよく考えればそりゃそうだ!と思う流れだけれど、Live2Dでどう動くか、どうやって動いているのかを、ある程度知ってからキャラクターを考えた方が賢明だ。天才や玄人さんでもない限りオリキャラを作出する為にはめちゃくちゃ悩んで考えて、やっとの思いを込めてひねり出した一体のはずだ。それなのに、いざLive2Dで動かそうと読み込んでみたら、まったくうまく行かなくて振り出しに戻ってしまうなんて茨の道すぎる。恐らく一つめの挫折ポイントがここなんじゃないかなと思う。
バルトフを作る事になったきっかけは、Live2Dで理想のキャラクターを思いの通りに動かしたくて、まずは自分が『作りながら・学びながら』で使うために、自分用のアバターを作りたいと思った事がきっかけだった。
自分の家族は猫が大好きで、いつもなら自分の描く絵に口を挟むような事をしない家族なのに、バルトフを描いている時には「猫なら瞳孔がもっと縦に長い!」とか随分と横から口を挟まれて描いたよ。自分の目つきが極悪なんだよね(笑)その目つきの悪さもしっかり反映させて、自分にとって長く付き合いやすい親近感の湧く様な印象に仕上げて、自分の代理キャラとしてバルトフのデザインが完成したんだ。最初のうちはLive2Dで動かすよりも先に、キャラクターデザインシート的なものを描いてみたよ。それから、動かす為に変えなきゃならなそうなところを考えたんだ。
こんな感じで、描きたい雰囲気や横顔、手の形が判るデザインシートがあると、少しずつ日数をかけて取り組む場合や日を改めてみた時、実際にLive2Dで動かしづらい事が判った時に『どんなふうに変える必要があるのか』を原画と見比べながら作業ができるよ。ちなみに、バルトフはこの一枚目のデザインシートで1つの失敗をしたんだ(笑)立ち絵で動かすLive2Dなら、デザインシートも立ち絵で描くべきだった。あとは色情報を記録する事!パレットみたいに色情報を残しておくと差替えパーツを作る時にも役立ったよ。そもそもキャラクターデザインシートの描き方テンプレートの基本が知識として備わっていないが故に起きてしまった描き直しトラブルなんだけど、そこは諸々初心者なので良い学びになった。
物理演算や、いろんな動きをさせるアニメーションも学びたかったので、その辺を踏まえて動きやすい構造の体はどんな獣人だろう?という想像の元、自分のスキルと相談しながら考えた。
キャラクターそのものの雰囲気を考える事は、どのキャラクターづくりにおいても必要な作業だと思うけれど、Live2Dで動かす為の獣人の場合は、それとは別の問題として獣人らしさの印象をどこまで出すのかは凄く考えなくちゃならない部分だ。口元の動き、足や手の関節が人と違うという事は、人型とは違った動きを設定しなくてはならなくなる。あまり動かせないけど、自分の好みを優先したキャラクターにするのか、自分が動かせそうなLive2Dスキル側に合わせたキャラクターを考えるのかは人それぞれで自由だよね。ただ、差し替えの作業を考えるとバルトフがここで大きな声を出して伝えたい事は『行き当たりばったりで描くよりも、予めどこまで獣人らしさを出すかの印象設定は入念に考えて決めておくことをお勧めしたい!!』って事。
頭部パーツの殆どを手動でアートメッシュ設定をするバルトフは、いろいろ試行錯誤をして、手馴れてきて、装飾なし…頭部だけ…それでも1時間以上かかっちゃう。
滅茶苦茶地味だけど、その後の作業に大きく影響する作業だから丁寧にやった方がクオリティは高くなるから、手間の抜けない作業なんだよね。
みんなのやり直し回数がなるべく減ったらいいなぁと思うんだ~!
具体的な獣人らしさや印象を決める為に考える事
バルトフ個人的なイラストの好みは、モチーフにした動物の骨格や属性を活かしたデザインのキャラクターが好きなんだよね。猫科なら、あの特徴的な脚だったり、猫背や手先の形状をなるべくそのままのデザインで2足歩行にさせたい…。
けれど、Live2Dでせっかく動かすなら手を振ったりピースサインを出したり、何かを持たせるようなアニメーションを作れるようになりたいと思うし、そのように動かしてみたいと思う。販売していろんな人に使って貰いたいと思う目標だったり、自分がオリジナルキャラクターを練習台にしてLive2Dで色々なポーズをさせるアニメーションも学んでみたいと思うならば自分の好みだけを優先せずに考えなくちゃならない事だ。
使い勝手や用途の幅広さを考えると『人間の手って器用で便利なんだな』という一つの答えが出た。
そこで、足についてはなるべくモチーフの動物らしさを残して獣人らしさしっかり出しつつ、Live2Dでは正面立ち絵が描けた方が何かと動かしやすい事が判っているので、正面立ち絵が描きやすく動かしやすい範囲での骨格はどんなものだろうかと考える一つの目標が生まれた。
この骨格についての描き方は今後もアップデートしていくだろうし、現時点で出せた1つの答えでしかないけれど、前回の上半身しか描かなかったキャラクターデザインを改めて描き直して全体像を考えてみる事にしたんだ。
手は獣人らしさを残しつつ人間にとても近いデザインで、足は人間よりも獣人らしさをデザインする。胴体はまだまだ悩ましいところで、できれば服を着ずに動物らしさ満点で描きたいところだけど…。でも季節に合わせてローブを着せたり、フードをかぶせたり…キーバインドで着せ替えなんかできる服飾も楽しみたいなと思うと、服のデザインは人間に近しいデザインの方が良いよな…って事で現状はこんなデザインになったんだよね。単純に絵を描くだけじゃなくて、先々どう動かしていくかを考えていくと1つのキャラクターを考えるのにも考える事が多いなと気づいた出来事だった。
Live2Dで動かしやすそうな獣人キャラクターを考えようと思った時、自分が知っている好みのデザインで猫キャラクターと言えば『猫の恩返し』のバロンだった。バルトフをどう二足歩行にさせるをイメージする時に、真っ先に思い出した存在が『バロン』だったんだ。
猫の恩返しでは様々な猫キャラクターが出てくる。バロンの様に立ち居振る舞いが人間に近い姿勢でありながら、何故か顔やしっぽだけではない猫要素がしっかりと感じられる猫も登場するし、実際の猫に近い動きと体型だけど人間要素もしっかりある猫もいる、そしてデフォルメたっぷりの猫も…。本当に人間と猫をいい塩梅でキャラクター化した様々な猫が登場する。
ちなみに、主な登場猫たちの中ではバロンが好みだけど、猫デザインとして一番の好みは猫の黒…あ、いやSP的ポジションの猫だ。ハチワレって言った方が判りやすいのかな?ほんの少ししか登場しないモブキャラに近い存在だけど、何が好きかって、猫の大きな特徴である『猫背』をキープしながらも2足歩行スタイルにさせて、全体的に猫のデザインを保ちつつも人間の動きを熟している完成形だと思ったからなんだ(笑)猫を描こうと思った時に、見返してこのバランスの良さに改めて感動した。
本来ならば猫の身体的特徴を、なるべく活かした方が良いし自分にとって好ましい。
けれど、実際にLive2Dで動かすことを想定して考えた時に、自分のスキルでは動きにかなりの制限が出てしまう事が簡単に想像できた。例えば、横を向いた時や足を動かした時、全体のバランス、何かを持たせた時とかね。胴長で短足気味だと、服飾のデザインも制限が出てしまい学びの幅が制限されてしまう問題も忘れてはいけない。
なかなかに難しいけれど、二枚目のキャラクターデザイン画で、全体の雰囲気をつかめるようには考えがまとまった。これも結局アバター化する時には、描き直しをして変更をかけて正面立ちの絵にすることにはなるけれど。それでも、立ち絵のキャラクターのデザイン画を最初のうちに描くって大事だよなと改めて思ったよ。
デフォルメキャラクターならドラ〇もんのようにアイテムが手に吸い付いてる状態でも良いんだけど、指の関節を動かすモデリングの練習も将来的には挑戦してみたいし、なるべく実在しているかの様な現実的な印象を持たせたい。
せっかく動かすのだから、生きていると感じるような印象のある獣人にしたいと思った。
ファンタジーだからなんでもありのミラクルな動きをさせるのではなく、なるべく物理的に考えられる構造で、その範囲の動きで動いてることを観た人が理解できるようなキャラクターを作りたい。
スキル不足の獣人化デザインへの妥協と言われたらそれまでなんだけど、よく考えれば考えるほど、人の手って器用になんでもできる形状だよね…って考えさせられた日だったよ。
この記事のまとめ
何よりも先にLive2Dでのモデリングについてを簡単に知っておく。
二次元のキャラクターをどんな仕組みで動かすことを叶えているのか?それを全く知らない状態でキャラクター絵を描き始めると作業コストが高くなる可能性がある。どんなモデリングをして動いているのか、獣人の場合は特に『マズル』や『足・関節』あたりの人間にないデザインの部分をどのようにモデリングするのかを想定してからキャラづくりをした方が描き直し、モデリングし直しを回数を減らす事が出来そうだよ。
キャラクターデザインシートは描いておくと想像しやすい。
描いたキャラがLive2Dでどんなふうに動かせるか?を考えるのは想像だけでは難しいところがある。なので、Live2Dでのモデリングの仕方を簡単にでも知った後は、その作業を想像しながら描いて、改めて出来上がった立ち絵を見てモデリングを頑張れる範囲なのか考える事で挫折や描き直しのトラブルをある程度は防ぐことができそう。Live2Dでモデリングされたキャラクターを動かす為の世界はとても華やかだけど、そのキャラクターが出来上がるまでの作業はとても地味で長い道のりなんだよね。もちろん、失敗しても良いからとりあえずやってみたいからキャラから作る!と言う人はそれでいいと思うよ。自分の出せる可能な限りのクオリティの高さで1体を仕上げるんだという人には、モデリングについてを知ってからキャラクターづくりをする流れをお勧めするよ!
もう既にイラストを描き直すことに慣れている絵師さんや、イラストレーターさん、モデリング経験のある人にとっては悩みにはならない問題なのかもしれないね。バルトフは、まだこの辺で苦労している側の初心者なので同じくらいのスタートの人にはぜひシェアしたい事だったんだ。
今日も読んでくれてThanks!次回は『その②』に続いて、上半身(特に頭部)の事についてを記事にするよ。ではではまたね~!
コメント