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動物キャラクター『フェネック君』の顔を上下する動きを『角度Y』でモデリングするの巻
前回までに頭部『角度Z』パラメータのモデリングをすませ、今回の記事では『角度Y』のパラメータを設定していく作業のお話をするよ。個人的なモデリングの難易度は『角度Ⅹ』が一番難しくて、一番優しいのが『角度Z』だと思う。『角度Y』はその難易度の真ん中に位置していて、これまでのデフォーマについての『基本的な知識』やモデリングする変形させるときのコツや基本が当たり前に必要となってくる作業になるんじゃないかな。
特に親子関係とデフォーマの変形の仕方が大事な気がするよ!冒頭からモチベ下げるような話でスタートしちゃったけど、この先で動かした完成時の喜びはとっても大きいものだよ!モデぴよ(モデラーとしてヒヨコ)なバルトフの記事を読む君もきっと初心者さんなのだろうから、諦めずに一緒に楽しんでいこうね~~~!
…Y軸なんかで心を折っちゃダメだ(笑)Ⅹ軸なんか慣れないうちは発狂したくなる勢いで難しいから、さっさとY軸すませちゃおうぜー!と思うくらい、個人的には『Y』と『X』の難易度に開きがあると思っている。これまでに動物キャラを何体か作ってきてみた感想としては、ついつい高稼働に憧れちゃうものだけど、『慣れないうちはそんなに動かすな』を徹底して控えめに、『自然な動き』を優先に作ると綺麗に仕上がると思ったよ。特にパラメータが細かく設定できないデフォーマの数が限られているフリー版では、ことさら『控えめに・丁寧に・自然に』を意識すると初心者さんがつくる完成度のクオリティが上がるんじゃないかなと思うんだ!
まずは一体の完成を目指してはXY軸を『控えめに』が上手く行くポイントかもしれない…
頭部のY軸について
頭部『角度Y』では顔が上下を向く動きを設定する。変形は顔だけではなく目や耳、髪の毛を動きに合わせた形状に変形させる必要がある。YX軸の設定ではデフォーマを変形させるときに『Yでは縦』『Ⅹでは横』の移動を基本にして、Y軸では横・Ⅹ軸では縦にオブジェクトを移動させることは極力控えて変形させると上手くいく場合が多い。その為、今回のお話でも遠近を出すためにY軸でも『座標はそのままでデフォーマのポイントを横にずらす』事はあるけれど、移動については縦に移動することを徹底し意識して、左右には移動させないようにすると良いと思って話をしているよ。
また、角度Yに対応させるパーツオブジェクトの選択はイラストによって異なってくる。基本は首から上に位置するオブジェクトの『親』デフォーマを何であるか意識して、同じ親となるパーツ群を選択してパラメータを打っていく事になると思うんだ。
今回の場合は頭部なので、まずは顎もとに設定した『Z軸用の回転デフォーマ』を親にして必要なワープデフォーマを作成していく。
フリー版Live2D向けの記事なので、ワープデフォーマは必要最低限の数でシンプルな入れ子にしている。プロ版ならば鼻一つにデフォーマを作って口の開閉時に鼻が動く様にしていたり、耳の毛を別で動かしたい人は耳の毛にもワープデフォーマを作成する人も居るだろう。デフォーマが増えればその分入れ子は複雑化する。
今回は親が頭部Z軸になっていて、顔のデフォーマ内に目やマズルのデフォーマが収まっていない状態になっている。目が大きかったり、髭が在ったりしてデフォーマが顔から大きくはみ出す場合には顔のデフォーマを大きくして入れ子にするか、顔と同じ親に設定することになるだろう。今回の場合では後者になったという事だ。モデルによっては顔の中に目のデフォーマが収まる場合もあるので、入れ子順はモデルによって異なってくることは覚えておこう。そうしたいくらかの差はあるだろうけれど、基本的には対象となるオブジェクト群は首よりも上のパーツを紐づけし動かす為の角度設定になるよ。
ワープデフォーマを設定する
必要なワープデフォーマを確認する
画像は既にデフォーマを設定した後の画像なので、これから『この選択しているデフォーマ』を作成していく作業を行うよ。なのでこれからモデリングする目標となる参考画像だ。
[デフォーマパレット]にて頭部Z軸の回転デフォーマの入れ子を確認すると、デフォーマはまだ作成されていなくても、これらのパーツオブジェクトが含んでいる状態になっていると思うんだ。中には『耳』とか『Root』で親の無い状態のものもあると思う。これからの作業で親子関係を整えていくので、結果的にこの画像のように頭部Z軸回転デフォーマを親にした状態で頭部のオブジェクトが子になっていれば角度ⅩYのモデリングに問題は無いと思うよ。
ビューエリアでも選択した状態が判りやすく反映されるので、頭部のパーツが選択できているかをここでも判断できるね。これから、これらのデフォーマを一つずつ作成して、『親』を設定していくよ。
目のXY軸を設定した時と同様に、左右を別々にしたデフォーマの作成でももちろん良い。ただ、今回は無料版のLive2Dだとデフォーマの数に限りがある事と『左右を同時に動かすと失敗するリスクが減る』という事で、より簡単に気軽にモデリングを済ませるべく『まとめられそうなものはまとめて1つのワープデフォーマを作成』する方法にしていったよ。
顔のワープデフォーマを作成する
顔のワープデフォーマは以下の画像通り、顔のパーツ、眉毛角度のデフォーマ、照れ顔の曲面を選択して作成した。デフォーマを作成する時は同じ親でないと作成ができないので、眉毛そのものは既に角度のデフォーマという『親』が居る状態なので選択しなくて良い状態だ。眉毛の角度のデフォーマを選択する事で眉毛は入れ子として含ませることができるよ。眉毛を目の方のデフォーマに入れる事も考えたんだけど、今回は顔の方で入れた状態にしてみたんだ。この辺は入れ子にした時に変形した状態を見て親を自由に変えていくと良いんじゃないかな。
現段階では『照れ頬』のワープデフォーマはなく、照れ頬のオブジェクトパーツが顔の曲面内に収まっていればOKだ。照れ頬のワープデフォーマは今後設定する『角度Ⅹ』の方で必要に応じて追加作成し、『照れ頬』のオブジェクトの『親』として設定し、『顔の曲面』の『子』として作成したものだ。現時点で作成してしまっても良いし、後でもデフォーマを追加して親子関係の構築ができるので『角度Ⅹ』のタイミングで記事のモデリング作業に合わせて作成すればOKだよ。
耳と目元のワープデフォーマ
今回は左右の耳を一緒にした1つワープデフォーマを作成したよ。片耳ずつ作成するのも良いし、どちらでも問題ないはず!
先々もう少しワープデフォーマを作るかも知れないと思った場合は、無料版のワープデフォーマは限りがあるので節約すると良いかもしれないねって事で、今回は1つのワープデフォーマに収めているよ。
目のデフォーマも耳と同様に両目を一緒に1つのデフォーマで作成したよ。目の全体を含めたデフォーマなので大きくなりがちだ。これが顔のデフォーマ中に納まるならば親を顔のデフォーマにすることができるし、できない場合は顔のデフォーマと同じ親に設定することになる。気を付けたいポイントは、ハイライトや瞳は既にデフォーマを作成済みなので、子に当たるパーツオブジェクトは選択せず、デフォーマのみを選択することで入れ子状態にするよ。
マズル周辺のワープデフォーマ
マズル周辺、口元のパーツは多いので、漏れなく含めるように注意してね。舌を出すような動きを設定する人は、舌にワープデフォーマを設定する人も居るだろうし、口元が動いた時に連動して鼻が動く様にしたい人は鼻にもワープデフォーマを設置する必要が出てくるだろうけれど、今回はそれら無しの状態で動かすよ。口の開閉時に歯や舌、口内のパラメータを設定しなかったけれど、このマズルのデフォーマで口周辺を一括りにしているおかげで横向きや縦向きでマズル周辺を移動させても問題なくまとめてパーツが移動してくれる様になるんだ。デフォーマのおかげで唇と口内の座標が一緒に移動して、移動した先の座標で開閉する仕組みなので、口内がずれるようなトラブルになることも無いんだよ。
各XY用のデフォーマが出来て、親を頭部のZ軸回転に設定出来たら、変形作業をするよ!
顔をモデリングする
まずは顔のデフォーマを上下変形させる作業を行うよ。それが済んだら、その上下変形した顔の形状に合わせて目や耳の変形をしていくという流れ。
顔の曲面を選択し、パラメータ[角度Y]に3点パラメータを打つ。Y軸はパラメータを右にスライドさせた『1:上向き』なのでパラメータが右側にある状態で、画像の赤丸部分をドラッグして引っ張る様にして変形をさせたよ。
お次は下向きだ。パラメータを左にスライドさせて『ー1:下向き』の状態にして変形を行うよ。
『動きの反転』を利用して『垂直方向』にパラメータを反転させる方法あるけれど、今回は上下それぞれで変形作業を行ったよ。
画像は目のモデリングも済ませた後にスクショを撮ってるので、目のデフォーマも変形している状態が画像に映っているよ。目に対するデフォーマはこれから作業する。
両耳をモデリングする
顔のY軸を設定すると、耳の付け根位置が大きくずれて眉毛に被ったりしてしまっている状態だと思うんだ。なので、まずは耳の変形よりも位置をある程度近いところに合わせる移動をする。フェネック君の画像にはグレースケールに付け根の位置が目安として判る様に点が打ってあるので、その描画を消していなければ、そこを見ながら耳を移動してもらうと失敗が少ないかなと思うよ!
この状態で赤丸の位置を確認しながら移動させて合わせる作業は難しいと思うので、不透明度を50%くらいにオブジェクトを透けさせて移動させると位置を合わせやすくなるよ。
位置が合ったところで変形作業を行うよ、もっと細かく変形させたいところだけど…今回はお手軽に簡単にをモットーで!遠近を出す為に手前は広く、奥は狭く幅の変更をするんだ。耳の付け根は動かせないので、耳先の幅を狭めたり広げたりすることで遠近を出してみたよ。ポイントは斜めに移動させず、緑のポイントをまっすぐ横に動かして移動させる事。
下向きの作成も同様に、まずは耳の位置を確認して位置が決まったら遠近を出す為に変形をさせる。
時々変形をした事で位置がズレる事もあるので、変形したら位置がずれていないかの確認もしておくといいよ。
耳のモデリングは以上だ。
目元をモデリングする
今度は目元をモデリングするよ。イメージは顔の変形とほぼ同じ。もしも顔の位置と目の位置が判らない場合は、耳の付け根同様に目じりと目頭に点が打ってあるので、その点を目安に両目のオブジェクトを合わせにいってみてね。
目安点が色塗りによって判らなかったり、そもそも目安点を消してしまっている状態ならば、デフォルト位置『0』地点でワープデフォーマがどの位置にあるか毛先に重なっているデフォーマの点や線の位置などを頼りに、移動した先でも同じ位置・高さになる様に移動させると良いよ。
変形作業については顔に近い流れで良いと思う。個人的な感覚で思う事なんだけど、上を向いた時に少し目じりが下がるものだと思ったので、目じりを下げるのではなく、目頭側を上向きに変形させることで目じり側を下げる変形でモデリングをしてみたよ。あまり大きく変形させてなくても実際に動かしてみると結構変形してくれるので、再生してポージングさせてみて確認しながら作業をするのも良いと思うんだ。パラメータ『1』で上向きの状態、『ー1』で下向きの状態で顔と同じ流れで作業したので、下向き画像は省略。
マズル全体をモデリングする
最後にマズル全体のモデリングをするよ。同色でマズル周辺のパーツを塗っているのでわかりにくいかも知れないけれど、下を向けば鼻先距離は長く、上向きになれば鼻先距離が短くなると思うので、そのように意識して変形をさせたよ。また、これまで鼻のモデリングで変形は一切手を付けてこなかったけど、ここでマズル全体を変形させることで、中心にある鼻がそれに合わせて少し変形してくれるので、結果として控えめで丁度よい変形になったよ。
マズルや顔周りの変形をする時、『口を一番開いた状態』でモデリングすると失敗が減るというのが個人的なポイントだ。口を閉じた状態でモデリングをしていると、下向きや斜め横向き上下のモデリング後に『口を開いてみたら口が顔からはみ出てしまった』なんて事になって、やり直し作業になる事がある。耳や目、髭なんかもだけど、パーツが一番変形している状態でXY軸を設定するとやり直し回数が減ると感じているので、個人的には大口を開けさせた状態でモデリングする方法がおすすめだよ。
さてさて、これで顔全体のY軸のモデリングは完了だけど、どうだったかな?お次はⅩ軸をモデリングするよ。バランスに不都合を感じたら必要に応じてY軸に戻って作業をやり直せばいいだけだと思うから、なんだかんだ失敗は気にせずチャレンジしてみたもん勝ちだと思うんだよね。
今回も読んでくれてThanks!
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