Contents
立ち絵を描く!動物キャラクターを実際に描くの巻
記事で取り上げているイラストのデータは、来月あたりに配布予定で準備中だよ!
今回はLive2Dで動かす為にそのイラストを描いた時の気を付けた事についてのお話だよ~
前回までの記事『その①~③』では、キャラクターを描く前の段階で予め考えておきたいポイントの様な話を記事にしてみたんだ。少し回りくどい解説になっているけれど、これからLive2Dを初めて触る人やお絵描きの経験が浅い人にとっては、大事な予備知識になるんじゃないかなって思っているよ。ドローイングソフトやCADソフトをある程度使える人にとってはあまり必要ない情報だったかもしれないね。それでも読んでくれた人、ありがとう~~~!
今回の記事は実際にその構想を経て、ある程度のキャラデザができた段階で実際にペンを持ってLive2Dで動かす為の立ち絵を描く工程に入った時の話について。今回シリーズの記事内で取り上げるキャラクター全身一体を仕上げる基本の流れについては、主にFREE版Live2Dの作業手順でのお話になるよ。もともと獣人が好きって言う人はもちろんだけど、これから自分が飼っているペットを獣人キャラ化して動かしてみたいという人も居ると思うので動物キャラをコスパ良くLive2D化してみたい人やLive2Dをなるべくお金をかけずに使うとどんなキャラクターが出来るのか知りたい人向けの記事になると思うんだ。
そんなLive2Dに興味がある、これから一歩目を踏み出そうとしている初心者さん中の初心者さん達に向けた記事になるよ。Live2Dってこんな風に作って行くんだ!と、お試し感覚でバルトフの制作記録を楽しんで読んでもらえたら嬉しいなと思う。試行錯誤の制作記録なので、解説が回りくどかったり時々遠回りするけれど、そのへんはご愛嬌として許してね!
この記事についてPSDデータにする時の注意点まとめ
・レイヤー独自の機能(左右対称アシストやロック)をオフにする
・すべてのレイヤー機能の不透明度を100%にする(Live2Dで不透明度は設定できるよ)
・パーツ周辺に描画残しのゴミが無いか確認する
・レイヤー名を適切に入力する(左右の表記はキャラ視点で)
・顔や頭、腕などフォルダでまとめておくと作業しやすい!(左右で分けるかは好みの問題)
・統合前と統合後のファイル2つあると修正しやすい(バックアップは大事)
使用するお絵描きアプリは何にする?
Live2D公式で推奨されている動作確認の取れた、いわゆるサポートされているアプリケーションソフトはアドビのPhotoshopとCLIP STUDIO PAINT(セルシス)の2種類になるよ。バルトフはサポート外のソフトしか持もっていないんだ・・・。(クリスタほしいなぁ~~~)
PCにはファイアアルパカとGIMPをインストールしていて、PCでイラスト修正やレイヤー統合をする時にはこれらのアプリケーションを使用している。
主にイラストを描く作業はiPad proを使用していて、メディバンペイントとProcreateの2つをインストールしているけれどProcreateを使う事が多くて、今回のLive2D用のイラストもプロクリエイトを使用して描いているよ!Live2Dで作業中に修正や加筆が入った時にはPCに入ってるドローイングソフトを補助的に使っている状態だ。バルトフの様なサイズが大きくてレイヤーの多いイラストはレイヤー制限の問題がある。正直なところ、そうした大容量のLive2D向けのイラストはiPadで仕上げてイラストを読み込む作業を考えると使い勝手は悪い。けれど、機能制限のあるFREE版Live2Dならばレイヤー制限などの問題もなく描く事ができたよ。
>>>Live2D Cubism Editor 動作環境(公式サイトのページで確認する)ラフを描く前に全体の骨格を考える
まずは骨格から!ラフ画を描く前に、Live2Dで動かすための正面立ち絵でガニ股過ぎない自然な立ち絵はどんな風にしたらいいだろうか?って散々に悩んだ結果の関節位置がこれだ。この画像が汚い黄土色なのは、長時間悩みながらずっと描いていたので眼が疲れてしまって目に優しい色に切り替えて作業をしていたから(笑)真っ白いキャンバスだと眼がチカチカし始めちゃった!配布データの方はサワヤカな色あいに直しておくね。
この骨格と正面ポーズの関節位置は、胴体に腕と手が隠れないようにする事と足がガニ股過ぎず左右を向けやすい位置にする事、服を着せやすい体型にする事を考えて描いてみたよ。鼻先の位置や耳の位置のガイドラインも入れたので、これに合わせて寄り目にしたり目と鼻を近づけさせるなどして犬や猫の顔にできるようにって考えたりもしてたかな。個人的には犬か猫科も判らんような動物も好きだけどね。首も細くならないように少し太めの首ガイドを入れたよ。
骨格の上にラフを描く
前回描いた鬼の子フェネック君のイラストを元にして『角無しただのフェネック君』のラフを描く。目のデザインはこのラフから何回も描き直したし、耳周りの毛も何度も描き直した(笑)
描き直した理由は、単純に好みのデザインを求めて迷走していたっていう理由もあるけれど、配布データにする為のイラストなのでモデリングがしやすいデザインを優先して考えた。目を閉じる時に目に複雑なまつ毛が多いと大変だし、毛が反ったデザイン(カールしたデザイン)だと物理演算を設定するために思いっきり変形する必要があるんだけど、逆に反らせる変形は形が崩れやすくて作業になれないうちはあまり変形させることができない。
初めて変形させる人でもなるべく綺麗に完成できるように、変形させやすい毛並みの形を考えた結果が完成したあのデザインになったというわけだ。ラフ画はそういうことを考えながら絵を描いていたのでめちゃくちゃ時間がかかったよ!いつもだって描く作業スピードが遅いもんだから、そんなこんなでラフ画を描くだけでどえらい時間がかかった(笑)
脚の方はこんな感じ!かかとは浮いている状態の立ち絵にしたよ。
足先の形状は獣人らしさがチャームポイントだと思うので、今回のシリーズ内では裸足が基本!
プロ版で制作する時にはこれに似合う靴とかデザインしてみたいなぁ。
フェネック君は一応男の子設定なので立ち脚は少しハの字に描いたよ。でも、これくらいの肩幅で足を開いてる立ち姿なら女の子設定でも問題ないと思うけど、どうかな。股下の位置を変えて胴を長めにしたり太ももを横に張って描けば、より動物的な骨格で描けるかなと悩んだ。けれど、今回は動かしやすいモデラーフレンドリーのキャラクターで、獣人としては幅広い種族になじみやすい体型にしたかったんだ。下半身は足に獣人らしさを、関節位置や太さは上部に向けて人間らしさを考えながら描いてみたよ!
このタイミングでは服無しを考えていたんだけど、何かと制限のあるFREE版Live2Dに向けるイラストデータなら、そのまますぐに使えるデザインの方が良いか!って、思い直した。
それで、本線を描く時には、モデリング完了後でも追加で上着や服飾を重ねやすいよう、体格にフィットしたシンプルなTシャツとパンツというスタイリングにしたんだ。データを使う人がお好みで上着とかを加筆して作ったりしてくれたら嬉しいなと思ってる。
線画と塗りを分けたパーツを描く
線画と塗りのパーツを分けるかどうかは、どのようにモデリングするかによっても変わってくる。なので、今回の話は初心者のモデリングとしてほんの一例の流れになるけれど、まずはフェネック君の場合すべてのパーツを線画と塗りでレイヤーを分けて描いている。それはイラストが完成するまでの間に影や色の修正がしやすいようにするためという事も理由の一つだ。PSDにエクスポートする時にファイルをコピーしてバックアップしてからレイヤーを統合する様にしたよ。
下の画像では例として『顔・二の腕・手の一部・脛・足先』5枚のレイヤーを表示しているよ。この辺の細かい詳細については、配布データを直接見て貰う方が判りやすいので割愛するけれど、線画を描いた時に気を付けたのは『線としてあると都合の悪そうな輪郭の顎線は描かない』(なぜなら顔を上向きにした時に線が目立つと不自然だから)とか、手をいくつかのパーツで分ける(FREE版用では手の先は全部統合してしまう作業で解説するけれど、プロ版で動かす人も居るかも?と思っているので簡単に分けてみた)など、いろんな目的を考えながらパーツ分けを行ったという事。
初めの記事その①~③でも話していた事だけど、モデリングし始めてイラストの形状や描き方の都合が悪かった結果、描き直しになる事はLive2Dに挑戦する一歩目でよくある事だと思う。だから、簡単でも一度モデリング体験をしてどんなキャラをどこまで動かすかを予め考えておくことは作業コストに響く大事な事だと思うよ(別名:挫折予防。)パーツ分けについては、初めのうちは動かしたい部分を分ける・関節で分けるというくらいの感覚で良いと思うんだ。
慣れてくると「あ~ここも分けておけばよかった~~~!!」って叫ぶ日が来るので段々とコツみたいなものが掴めてきたよ(笑)そしてもっと動かしたくなった時に、先人の教えに習うのである。
塗りと線との分け方と言えば、口元の作り方はイラストレーターさんモデラーさんによって違いが出てくるパーツなんじゃないかなと思うんだ。バルトフの口元は全部で4パーツでマズル全体を合わせると5パーツに分けてあるんだけど、今回はより簡単にしたい!という事で、マズルはただの線ではなく、インナーパーツを線として使うようにしてみたんだ。下のパーツは一見塗りのパーツなんだけど、線画の部分として使う部分なんだ。線で描くのではなく形状にすることによって上から被せるマズルの塗りを微妙に変形させることでインナーパーツの一部を隠して口をすぼめたり、口角を目立たせたりする変形作業を楽にしたよ。この辺の詳細はモデリング作業の記事で確認してもらうと、より解りやすいと思う。
あとは、線のない塗りだけのパーツも作ってあるよ(マズルについてはいわゆる背面法で描いた。)口内のパーツは塗りだけのパーツにしてある。デフォーマーの数に制限のある無料版Live2Dの場合は、他でデフォーマーを使いたいと思う事がありそうだったので、今回口の中をほとんど動かさない状態で作業をした。一応使うかもしれないので歯と舌のパーツは作ってあるよ、という状態だ。
それぞれのパーツが出来たら
それぞれ塗りと線が出来上がったら必要に応じて線と塗りを統合していく作業をするよ。線と塗りの統合についてはマズルの件のような『線と塗りを別にしたい』特別な理由がない限りは、塗りと線を統合して一つのレイヤーにしてからLive2Dに読み込ませる。
統合時の注意点としては、パーツの量や大きさに制限のある無料版のLive2Dでモデリングをする場合はたくさんのパーツ分けが出来ない。例えば、指を分けたり耳毛を分けて片耳だけでも3パーツにしたりするという事が制限によって出来なかったりするんだ。今回のモデリング作業の記事では、そういった理由で手首から指先は1つのパーツとして統合して、耳の毛も耳と一緒に統合して1つのパーツに仕上げてあるよ。配布データでは統合済みと統合前の2種類のデータを配布するので比較してみてね。
あとは、片耳片目という本来は左右あるべきパーツが片側になっている状態について、描き始めのころは、左右対称に描けるレイヤー機能を使って描いて完成時の両側にパーツがある状態をバランスを観ながら描いて行ったんだけど、レイヤー統合時に片側は全て消しゴムで削除して『片側のみ』にわざとパーツを減らしたんだ。モデリング作業で片側の作業を終えた状態で反転コピーすることで作業効率を上げて失敗のリスクを減らすという理由と反転コピーをするとパーツ一つで左右分が作成できてデータ容量(テクスチャアトラスのパーツ置き場が一カ所で済む)が減らせる。片脚に模様があるとか、片目だけ色が違うとかアシメントリーデザインではできない方法なんだけど、FREE版Live2Dのパーツ節約法の一つとして反転コピーをおすすめするよ。
PSDでエクスポートして完成!
統合作業が追えたら、レイヤーの独自機能(左右対称にするとかアルファロックとか)をオフにして、レイヤー名を変更し、必要に応じてフォルダ分けをするよ。その辺の細かい話は、配布データの使い方として別記事で説明しようかな。PSDでエクスポートをする前にはぜひゴミ取り作業も忘れずにね!Live2Dに取り込んでからも確認はするものの、後々に不必要な描画が残っているとLive2Dには消しゴム機能はないのでゴミ消し作業はできず、描き直したパーツの差替え作業になるんだよね。この作業が地味に面倒なので、なるべくゴミ取りチェック入念にすることをおすすめする。
雑感
イラストパーツの描き方も、統合範囲も、いろいろな手段があってモデラーさんによってやり方が違う。バルトフは初心者なので作業には少し慣れてきたけど、手順や方法についてはまだまだ改良したいところもあるし、いろんな方法を試してみたいと思っている。ひとまず、今回の記事にしている流れ作業は今のところ自分が慣れてきたと思う手順をまとめて記事にしているよ。今後もアップデートした内容があれば、記事として残していきたいなと思うんだ。
次回から、いよいよLive2Dに読み込ませる!!!結果を先に言うと、すぐにまた舞い戻ってドローイングソフトで修正かけたところがあるんだけど、失敗ネタとして記事でしっかり公開するつもりだよ(笑)みんなは同じ失敗しないようにね!今回も読んでくれてThanks!
コメント